暗号資産(仮想通貨)の相続リスク

├相続トラブル回避方法
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この記事でわかること

☑資産を引き出せないとどうなるのか
☑なぜ引き出せないのか
☑防ぐためには何が必要か

 

はるはる
はるはる

テレビで偶然デジタル資産の相続問題の話を見たので、書くことにしました!やや素人向けです・v・

 

本人しか引き出せない

取引所に預けっぱなしの暗号資産(仮想通貨)であれば、秘密鍵を取引所が管理しているため、まだ希望があるかもしれません。

しかし個人用ウォレットで管理している場合、秘密鍵がわからなければ絶対に資産を引き出すことはできません。

金庫を解錠するようにプロが解錠できるとか、運営なら解錠できるとか、そういうことはないのです。

ハッカーでも解錠できません。

ハッカーが盗む場合も、本人が秘密鍵の情報を入力し、その入力情報を盗むからハッキングできるのです。

全くゼロの状態でウォレットにアクセスできるなら、暗号資産(仮想通貨)の存在自体が成立しないのです。

資産が引き出せないことで起こる問題

①お金が手に入らないのに、税金だけかかる
②無駄に時間を浪費する

①お金が手に入らないのに、税金だけかかる

引き出すことができなくても、資産はそこに存在し、その人に帰属しています。

そのため、その引き出せない資産にも税金がかかるのです。

仮に現実の相続資産が1億円あっても、引き出せない仮想通貨20億円が存在しているとマイナスです。

相続放棄した後、偶然秘密鍵がみつかり引き出だせたとしても、相続放棄したため資産は国に帰属してしまうなんてこともありそうです。

相続放棄は家庭裁判所に死亡認知から3か月以内に申述しないといけないため(民法915条①)、それまでに見つけられなければ放棄するしかないですよね。

ただし、一定の要件を満たせば3か月を超えてても大丈夫な場合がありますが、このあたりは法律論になるので詳しくは言いません。

②無駄に時間を浪費する

墜落事故で死亡した息子が、実はビットコインを所持していたという事例があります。

この事例では、両親が何年もの間ウォレットにアクセスしようと試行錯誤したが、結局ウォレットにアクセスすることはできませんでした。

目の前に多額の現金があるのに手に入らないということで、無駄に時間を費やしてしまうこともあるわけですね。

資産が引き出せなくなる理由

①資産の全体像が見えていないから
②資産を引き出すための情報が不足しているから
③資産の換金方法がわからないから

①資産の全体像が見えていないから

コインマーケットキャップを見ると、仮想通貨2129、市場17796と書かれています。
しかもこれは、コインマーケットキャップが把握している数であり、全てではありません。

通貨検索しても、クロノコインやshopinなどの名前も出てきません。
クロノコインは実際に取引も始まっているのにです。

数千を超える通貨のうち、その人が何をどのくらい所有していて、数万を超えるどこのウォレットでどのくらい管理しているのか。

総当たりで探せるでしょうか?

取引所のパスワードも、登録しているメルアドもわからないのに。

それだけではありません。

ICOで投資した場合、まだ上場しておらず、プロジェクト専用のウォレットに通貨が入ってることもあるのです。

メモしてくれていないと、とてもじゃないけど全ては把握できません。

②資産を引き出すための情報が不足しているから

仮に保管場所がメモしてあったとします。
しかしそれだけでは足りません。

秘密鍵(24桁の英単語など)や、PINコード(4桁の数字)などの情報が必要になります。

全てが揃わないと、資産を利用することはできません。

③資産の換金方法がわからないから

全て把握できたとしても、どこの取引所でどうやって換金すればいいのかわからないかもしれません。

人にお願いするのもハードルが高いです。

人に代わりにやってもらうには、秘密鍵を教えないといけないですよね。
そのまま持ち逃げされてもわかりません。

相続人が親などで高齢な場合、パソコンも扱えないかもしれません。
その場合に全てゼロから覚えて扱うのは、厳しい印象です。

先にある程度現金化してまとめておけばスッキリしますが、暗号資産(仮想通貨)は値上がりするまで長期で保有することが多く、その期間は年に及ぶことが多いです。

当然、その間の死亡リスクもそれなりにあるわけです。

どうすれば引き出せるようになるのか

資産を引き出すために必要な情報は以下の通りです。

①取引している全ての取引所のウォレットを把握する
②使用している全てのアプリのウォレットを把握する
③パソコン上で管理しているウォレットを全て把握する
④全てのウォレットのパスワード、PINコード、秘密鍵を把握する
⑤暗号資産(仮想通貨)の送金方法と取引方法を知る

①取引している全ての取引所のウォレットを把握する

「国内取引所」、「海外取引所」、「分散型取引所」などを把握します。

・国内取引所例→Coincheck、Zaif、bitbank、bitFlyerなど
・海外取引所例→BINANCE、Huobi、Fcoin、CoinEXなど
・分散型取引所例→Wavesなど

国内取引所

「登録しているメルアド」、「パスワード」、「2段階認証の番号」が分かれば、ログインして所有している通貨を取引で売却して、現金を登録した銀行口座に反映して引き出せます。

海外取引所

海外取引所も同じ流れなのですが、直接日本の銀行に出金できないことも多いので、仮想通貨の状態のまま、日本の国内取引所に送金してから現金化します。

分散型取引所

分散型取引所の場合は、秘密鍵を自分で把握するので、他の取引所と少し違います。
パスワードを入力してログインするのは同じです。

日本国内で取り扱っていない銘柄を保有している場合は、取引でビットコイン等に変えてから、国内の取引所に送金して、現金化です。

 

はるはる
はるはる

私はwavesしか利用したことがないので、全ての分散型取引所が同じかはわかりません。

②使用している全てのアプリのウォレットを把握する

・アプリの例→ChronoCoin、Clet、IndieSquareなど

ChronoCoin

クロノコイン用のウォレットなのでクロノコインが入ってます。

Clet

専用ではなく、いくつかの銘柄を保管できます。
QUBを保有するのに使ったりします。

IndieSquare

Zaifウォレットの引継ぎで利用している人がいると思います。
ミンドルのICOで使ったのですが、トークンスワップしたので、保管されている旧ミンドルは
利用できません。

XCPや、ビットコインが入ってるかもしれません。

③パソコン上で管理しているウォレットを全て把握する

→MyEtherWallet、Daedalus、Ledger Wallet Bitcoin、Ledger Wallet Ripple、nano Walletなど

これらにアクセスするには、秘密鍵やPINコード、ハードウェアウォレットが必要になります。
ハードウェアウォレット以外でも接続できますが、ハードウェアウォレット接続で利用している人が多いと思います。

ハードウェアウォレット接続で利用している場合、他のアクセス方法で同じウォレットに接続することはできないので、ハードウェアウォレット本体と秘密鍵などが必要です。

MyEtherWallet(マイイーサウォレット)

資産を分散させるような人ならほぼ100%利用していると思います。
一番最初に当たるべきウォレットと言っても過言ではないかと。

Ledgerウォレット

ハードウェアウォレットの「レジャーナノS」でアクセスするウォレットです。
資産を引き出すには、アプリ立ち上げて、「レジャーナノS」を差し込んで、PINコード入力して、リップルならリップルに合わせてボタン同時押すると、ウォレットが表示される。

そこからタグを忘れないようにして国内取引所の該当通貨を取り扱ってる取引所に送金して換金するのです。

取引所のほうにもログインして、受取アドレスを表示させる必要があります。

nano Wallet

NAMを保管するためのウォレットです。
ハードウェアウォレット「トレザー」で管理できます。
今までと同じように、国内取引所(Zaifなど)に送金して換金します。
メッセージの付け忘れに注意です。

④全てのウォレットのパスワード、PINコード、秘密鍵を把握する

こればかりは、メモしていないとどうにもなりません。

秘密鍵というのは、人に漏れる=ハッキングされるというものなので、人に教えないのが基本です。

パソコン上にメモしていない可能性もあります。
もしかしたら手書きでメモして、銀行の金庫に入れてることがあるかもしれません。

私の場合、印刷することすらためらいました。
データがプリンターに残って、それを読み取られるかもしれないとか。

ハードウェアウォレットを購入すると、秘密鍵を入力するシートがついてきます。
そのシートに記入して、そのままケースにしまっている可能性もあります。

なので、ハードウェアウォレットの空箱を捨てるのはNGです。
説明書だけでなく、秘密鍵が入ってるかもしれないからです。

⑤暗号資産(仮想通貨)の送金方法と取引方法を知る

送金方法と取引方法は、私も取引所の口座開設や、ハードウェアウォレット導入の記事で説明しているので、それを見ればいいと思います。

わかりにくければ、検索していくつかのサイトを参考にすればいいのです。

取引所内の取引については、取引所に問い合わせることもできるし、ハードルは低めです。
ハードウェアウォレットの使い方は教えてくれないと思いますけどね!

まとめ

わかりやすくメモして、人目につかないように保管しつつ、特定の人に保管場所を教えておくのがよい。

URLで保管先を開き、メアド・パスワード等でログインし、資産状況を確認して、取引で現金化して、指定銀行口座に送金。

送金の確認メールをクリックする必要があるため、メールボックスへのログインも必要。


保管場所:「Coincheck」
URL:〇〇
保有銘柄:〇〇
数量:〇〇
登録メルアド:〇〇
パスワード:〇〇
2段階認証設定:〇〇
Gmailログイン情報:〇〇

ウォレットによっては、「秘密鍵」、「PINコード」、「出金時パスワード」なども。
加えてウォレットアドレスをメモしておくのも良い。(検索かけたりに使える)

その他の注意点

暗号資産(仮想通貨)の相場は、毎秒変動しています。

しかも取引所ごとに価格が違います。

相続開始時の金額を正確に把握するためには、チャートを見る力も必要かもしれません。

専門家に任せるといいのかもしれませんが、最低限の知識がないと、専門家に不正にお金を取られたりしても気づかないなんてことになるかもです。

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